管理番号:
PB011004

書誌情報

論文名:
Results of a 10 week community based strength and balance training programme to reduce fall risk factors: a randomised controlled trial in 65-75 year old women with osteoporosis. / 転倒リスクを減少させるための10週間の地域社会に根ざした筋力トレーニングおよびバランストレーニングプログラムの結果:骨粗鬆症を持つ65-75歳女性における無作為対照試験 
著者:
Carter ND, Khan KM, Petit MA, Heinonen A, Waterman C, Donaldson MG, Janssen PA, Mallinson A, Riddell L, Kruse K, Prior JC, Flicker L, McKay HA.
雑誌名:
Br J Sports Med
発行年:
2001
巻:
35
号:
5
頁:
348-51

対象

ヒト:
対象
有疾患者
性別
女性
年齢

65~75歳

対象数
50~100
地域:
地域1
欧米

研究の種類・調査の方法

研究の種類:
種類1 (横断・縦断)
縦断研究
種類2 (介入・コホート)
介入研究
種類3 (前向き・後向き)
前向き研究
調査の方法:
方法
実測

介入の方法

介入の方法:
運動様式
トレーニング機器を用いない筋力トレーニングとストレッチング
運動頻度
週2回
運動期間
10週間

アウトカム

予防:
予防 (高血圧症・心疾患・脳血管障害)
な し
予防 (高脂血症・糖尿病・肥満)
な し
予防 (がん)
ガン予防
予防 (転倒・骨折・介護)
転倒・骨折予防
維持・改善:
維持・改善 (体力・廃用性萎縮)
体力維持・改善
維持・改善 (糖質代謝・脂質代謝・タンパク質代謝・骨代謝)
な し
維持・改善 (ADL・QOL)
QOL改善
維持・改善 (心理的指標)
な し

図表

図表1:

概要・結論

概要:

骨粗しょう症は世界的な健康問題であり、骨折の多くは腰及び大腿骨で発生する。骨折の危険因子として、バランス能力の低下や身体不活動による筋力低下があげられ、特に骨粗しょう症を有する女性については運動プログラムの実践が勧められる。本研究では、BC Women's病院で作成された運動プログラムを65歳から75歳の骨粗しょう症の女性を対象に実施し、骨折の危険因子が改善するか、検討した。ベースライン調査には93名が参加し、そのうち79名の対象者が10週間の運動プログラムを完了した。運動プログラムは、トレーニング機器を用いず、週2回10週間行った。機器を用いない主なトレーニングとして、いすを用いたスクワットや階段の上り下りを用いた。本研究では、静的バランス、動的バランス及び膝伸展力において、有意な改善を認めることができなかったが、対象者数が少ないことや介入期間が短かったことが問題であったかもしれない。有意な結果が得られない論文は掲載されることが少ないことから、本研究結果は今後の研究に役立つ情報となるだろう。

結論:

65歳から75歳の骨粗しょう症の女性に対して、週2回10週間の運動トレーニングは、静的バランス、動的バランス及び筋力について有意な改善を認めなかった。

エキスパートによるコメント:

無作為に割り付ける運動トレーニングの研究デザインは、非常に難しいのが現状である。結果としては、統計学的に有意な改善を認めていないが、膝伸展力については改善傾向が認められており、機器を用いない簡易な運動トレーニングを否定するものではない。筆者らも指摘しているように、より長期間の介入が必要であると思われる。

担当者:

桧垣靖樹、田口尚人