書誌情報
論文名:
Cerebral activation during bicycle movements in man. / ヒトでの自転車運動中の脳活性化
著者:
Christensen LO, Johannsen P, Sinkjaer T, Petersen N, Pyndt HS, Nielsen JB.
対象
ヒト:
対象
一般健常者
性別
男女混合
年齢
対象数
10未満
地域:
研究の種類・調査の方法
研究の種類:
種類1 (横断・縦断)
横断研究
種類2 (介入・コホート)
その他
種類3 (前向き・後向き)
その他
調査の方法:
介入の方法
介入の方法:
運動様式
自転車
運動強度
異なる3つの強度ペダル負荷 0.5kg, 6kg,12kg
運動時間
それぞれ1.5分間
運動頻度
実験日のみ
運動期間
無し
食事制限 kcal/day
無し
アウトカム
予防:
予防 (高血圧症・心疾患・脳血管障害)
な し
予防 (高脂血症・糖尿病・肥満)
な し
予防 (がん)
な し
予防 (転倒・骨折・介護)
な し
維持・改善:
維持・改善 (体力・廃用性萎縮)
体力維持・改善
維持・改善 (糖質代謝・脂質代謝・タンパク質代謝・骨代謝)
な し
維持・改善 (ADL・QOL)
ADL改善
維持・改善 (心理的指標)
な し
図表
概要・結論
概要:
この研究は自転車運動時の大脳の活動をポジトロン断層法(PET)と15O-H2O(H215O)を用いて観察したものである。体の運動の中枢である一次感覚運動野、補足運動野や運動を微調節する小脳の活動が高まることが明らかとなった。この結果は先行研究と一致するものである。この研究のポイントは運動形態を変化させて脳活動をそれぞれ観察していることである。自転車を自分で漕いだ場合(能動的運動)と足を乗せたペダルを他者に回してもらう受動的な運動を比較した場合、領域は能動的運動が大きいものの、ほとんど同じ脳領域が活性化する。リハビリなどが脳へ及ぼす影響を視野に入れた研究であるが、受動的な運動であっても脳の感覚運動野は活性化されることが示された。また実際に運動を行わず、運動することを想像しただけでも、補足運動野にわずかではあるが活性化が認められた。イメージトレーニングを視野に入れた研究であるが、イメージトレーニングが技術の向上に有効である生理学的な論証の1つと思われる。自転車の回転数を変化させたところ、回転数に相関して感覚運動野と小脳が活性化することが分かった。自転車の様な一定の運動を繰り返すリズミカルな運動では、その速度の調節に感覚運動野と小脳が重要な働きを行っていると考えられる。
結論:
身体運動は、脳から筋肉への神経伝達で行われている。しかし、筋肉や健、骨から脳に返される感覚情報も身体運動の正確性を確保する上で重要である。また返された情報を処理する脳領域の活動も必要である。さらに随意運動は「何かをしよう」とする意志の元で行われている。感覚運動野は運動の指令を出し、また戻された感覚情報を使い運動を修正しているものと思われる。小脳は感覚情報を処理し、感覚野に返していると考えられる。また運動しようとする意志は、補足運動野を活性化させることで運動に関与していると考えられる。
エキスパートによるコメント:
この研究は運動のいくつかの条件下で脳活動を観察した初めての論文である。実際運動では様々な要因が関係知るため、この研究はスポーツ選手、指導者、医療関係者に必要な重要な内容が含まれている。
評価選定・編集の考え方
文献データベースに掲載されている文献は、以下の基準を参考に選定しています。
我が国の体力科学、スポーツ科学および健康科学分野における専門家が推薦した身体活動、運動、体力に関する重要文献を掲載しました。
また、身体活動量・運動量の増加および体力向上による生活習慣病発症予防をアウトカムとする研究を対象にシステマティックレビューを行い、「健康づくりのための運動基準2006-身体活動・運動・体力-」(平成18年厚生労働省)策定に用いられた文献も掲載しています。
文献の領域
文献データベースには、以下の分野の文献が掲載されています。
病態別(予防もしくは改善)
呼吸器系
- 気管支喘息
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- その他の呼吸器疾患
脳・神経系
- 認知機能
- 脳血管障害(脳内出血、脳梗塞)
- その他の脳・神経系疾患
精神科系
- 鬱(うつ)病
- 慢性疲労症候群(CFS)
- その他の精神疾患
一般(ヒト)
- 生活習慣病の一次予防
- 体力維持・改善
- 介護予防
- 廃用性萎縮の予防・改善
- 転倒・骨折予防
- 日常生活動作(activities of daily living: ADL)の維持・改善
- 生活の質(quality of life: QOL)の維持・改善
- 心理的指標の維持・改善
一般(動物)
- ラットを用いた研究
- イヌを用いた研究
- ウサギを用いた研究
検索手順
検索を実行するには、条件を設定して、画面の下にある「検索」をクリックします。
何も指定しないで検索を実行すると、全件が表示されます。
検索は、大きく分けて、
で行います。
両方の項目を指定した場合には、両方の条件を共に満たす文献が検索されます。
1 フリーキーワード検索
自由な言葉で検索を行います。検索を行うのは、以下の項目からです。
- 論文名
- 著者名
- 雑誌名
- 概要
- 結論
- エキスパートのコメント
複数の用語を使用する場合、全角あるいは半角の空白で区切ってください。
個々の用語間の関係をandで検索したい場合には、テキストボックス右の「結合」の「and」を選んでください。
orで検索したい場合には、「or」を選んでください。
用語を入力して検索されない場合は、類義語を入力すると検索される場合があります。
2 指定条件検索
必要な条件を個別に指定して検索します。項目間はandで検索されます。
ただし、「年齢」は、チェックした項目のorで検索されます。
- 「対象」~ヒト~ “一般健常者”
- 「年齢」“13~18歳” “19~44歳”
- 「対象数」“10~50”
→ 「対象」がヒトの “一般健常者” で、「年齢」が “13~18歳” か “19~44歳” のどちらかで、「対象数」が “10~50” の、 全ての条件を満たすデータが検索されます。
3 検索結果一覧
検索を実行すると、ページ下部に検索結果一覧が表示されます。
フリーキーワードの文字列は赤字になります。
検索結果には、発行年、論文名、著者、雑誌名、対象、性別、年齢、対象数が表示されます。
「表示件数」を変えると、一画面に出てくる文献数を調整できます。
4 詳細画面
検索結果の「詳細」をクリックすると、詳細画面が開きます。
フリーキーワードの文字列は赤字になります。
類義語一覧
(原則として汎用語を入力,希望する文献が検索されない場合は類義語を入力)
汎用語 |
類義語 |
有酸素性運動 |
エアロビクス
持久性トレーニング
持久性運動
耐久力トレーニング
|
筋力運動 |
ウエイトトレーニングレジスタンストレーニング筋力トレーニングウエイトリフティング |
バランス運動 |
バランストレーニング平衡性トレーニング平衡性運動 |
柔軟性運動 |
柔軟性トレーニングストレッチ運動ストレッチ |
体力水準 |
体力レベル身体機能水準身体機能レベル身体活動水準身体活動レベル |
身体活動 |
身体運動スポーツ活動スポーツパフォーマンス |
体力 |
身体活動能力活動能力身体能力身体機能身体遂行能力フィットネス
|
トレーニング |
訓練鍛錬 |
レジスタンストレーニング |
筋力トレーニング筋力向上運動 |
日常生活動作 |
日常生活活動ADLADLs |
余暇活動 |
レジャー活動レクリエーション |
総死亡 |
死亡者数死亡数死亡率全死亡全死亡者数全死亡率 |
冠動脈危険因子 |
冠動脈リスクファクター心血管危険因子心血管リスクファクター |
最大酸素摂取量 |
VO2max最高酸素摂取量VO2peak有酸素能力持久力有酸素パワー運動耐用能心肺系体力
|
運動処方 |
運動療法運動プログラムトレーニングプログラム |
歩行 |
ウォーキング散歩ウォーカー |
ジョギング |
ランニング走運動ジョガー |
生活習慣 |
ライフスタイル生活様式 |
肥満 |
肥満症過体重 |
CHD |
冠動脈疾患心血管疾患心疾患 |
IHD |
虚血性心疾患心血管疾患心疾患 |
収縮期血圧 |
最高血圧最大血圧 |
拡張期血圧 |
最低血圧最小血圧 |
座業的 |
身体不活動不活動非活動無活動 |
自転車エルゴメータ |
自転車駆動サイクルエルゴメータ自転車漕ぎ |
運動負荷テスト |
運動負荷試験持久性テスト持久力テスト |
負荷量 |
ワークロードWatt数 |
運動強度 |
負荷強度強度 |
耐糖能異常 |
インスリン感受性インスリン抵抗性高血糖 |
運動量・身体活動量 |
METs・時/週kカロリーエネルギー消費量 |
高脂血症 |
高コレステロール血症脂質代謝異常低HDL血症 |
骨粗鬆症 |
低骨密度 |
高血圧症 |
本態性高血圧症 |
腹部脂肪症候群 |
内臓脂肪 |
習慣化 |
定期的アドヒレンス習慣性継続性 |
筋力 |
パワー |
高齢者 |
老齢者老人 |
中齢者 |
中年者中年 |
若齢者 |
若年者若年 |
質問紙 |
アンケート調査票 |
乳酸閾値 |
乳酸性作業域値無酸素性作業閾値換気閾値VTATLT |
乳酸閾値 |
乳酸性作業域値無酸素性作業閾値換気閾値VTATLT |
相関関係 |
関連性関係性 |
除脂肪量 |
除脂肪組織筋量筋サイズ |
QoL |
QOL人生の質生活の質クオリティ・オブ・ライフ |
インスリン |
インシュリン |
グルコース |
ブドウ糖糖 |
動脈硬化 |
アテローム硬化アテローム |
脳血管障害 |
脳梗塞脳卒中 |
メタボリックシンドローム |
糖代謝異常代謝異常腹部脂肪症候群内臓脂肪 |
BMI |
体格指数Body Mass Index |
罹患率 |
罹病率有病率 |
体力テスト |
体力測定身体機能テスト身体機能測定 |
マウス |
ラットネズミ |
運動種目 |
運動様式運動方法 |
運動強度 |
主観的運動強度RPEBorg Scale |
カテコラミン |
アドレナリンノルアドレナリン |
介入前 |
ベースライン運動前 |
訓練者 |
運動選手鍛錬者アスリート競技者 |
認知機能 |
脳機能 |
検索項目
以下の項目から検索することができます。
- 論文名
- 著者名
- 掲載雑誌名・巻・号・頁
- 発行年
- 対象
- 地域
- 研究の種類
- 研究の方法
- 介入の方法
- アウトカム
- 概要;文献の概要を文献紹介者が日本語でまとめています。
- 結論;文献から導き出される結論を文献紹介者が報告しています。
- エキスパートによるコメント;文献紹介者が文献に関するコメントを添付しています。
- フリーキーワード