書誌情報
論文名:
Sarcopenia in premenopausal and postmenopausal women with osteopenia, osteoporosis and normal bone mineral density. / 骨減少症、骨粗鬆症および正常骨ミネラル密度を伴う閉経前および閉経後の女性でのサルコペニア
著者:
Walsh MC, Hunter GR, Livingstone MB.
対象
ヒト:
対象
一般健常者
性別
女性
年齢
対象数
100~500
地域:
研究の種類・調査の方法
研究の種類:
種類1 (横断・縦断)
横断研究
種類2 (介入・コホート)
コホート研究
種類3 (前向き・後向き)
後向き研究
調査の方法:
介入の方法
アウトカム
予防:
予防 (高血圧症・心疾患・脳血管障害)
な し
予防 (高脂血症・糖尿病・肥満)
な し
予防 (がん)
な し
予防 (転倒・骨折・介護)
転倒・骨折予防
予防
骨粗鬆症
予防
サルコペニア
維持・改善:
維持・改善 (体力・廃用性萎縮)
な し
維持・改善 (糖質代謝・脂質代謝・タンパク質代謝・骨代謝)
な し
維持・改善 (ADL・QOL)
な し
維持・改善 (心理的指標)
な し
図表
概要・結論
概要:
サルコペニアとは,加齢よる筋肉量および筋力の低下のことをいい、歩行や運動機能の障害とそれに関連する転倒の原因となり、骨折のリスクを高める。本研究は、幅広い年齢層(17歳~77歳)の健常女性131名を対象に、オステオペニア(骨減弱:骨粗鬆症まで至らないが、骨密度が正常より低い)ならびに骨粗鬆症の女性のサルコペニア罹患率を調査すると共に、サルコペニアの予防に関連する因子を探究した。体脂肪率や筋肉量、骨密度は、高い測定の信頼性のあるDXA(デキサ)法で測定した。個々人の筋肉量を比較できるように身長当たりの骨格筋量(相対骨格筋指数:四肢の筋肉量を身長の二乗で割ったもの)を評価した。オステオペニアと骨粗鬆症は、骨密度の値を基準に評価した。栄養摂取状況は、3日間の食事記録により評価し、身体活動量は、質問紙法を用い仕事、スポーツ、レジャーの実施状況より評価した。結果として、閉経後の女性は、閉経前の若い女性よりも体脂肪率が高く、骨密度が低かった。加齢に伴いサルコペニアと骨粗鬆症、オステオペニアの罹患率が高くなっていた(図1を参照)。閉経前の女性でオステオペニアの者は、12.5%がサルコペニアと判定された。閉経後でオステオペニアである女性では25%、骨訴訟症である者は50%がサルコペニアと判定された。ホルモン補充療法(更年期障害の治療法であり、骨粗鬆症の予防にも有効とされる)を行っている女性では、行っていない者に比べ骨密度が高く、オステオペニアと骨粗鬆症の罹患率が低いことが分かった。しかし、ホルモン補充療法を行っていても行っていなくとも、サルコペニアの罹患率(約20%)に変わりはなく、相対骨格筋指数にも差がなかったので、この治療によるサルコペニアの予防効果はみられなかった。身体活動量は、相対骨格筋指数と骨密度の高さの両方と関連することが認められた。
結論:
サルコペニアは加齢に伴い進行し、骨密度の低下(オステオペニックや骨粗鬆症)とも関連していることが明らかとなり、(転倒などによる)骨折のリスクを高める要因であることが考えられた。また、サルコペニアと骨粗鬆症のリスクは、身体活動と密接に関連していることが考えられた。DXA法によるサルコペニアと骨粗鬆症の診断は、運動トレーニング(特に筋力トレーニング)の介入を必要とる者の判別にも有効であると考えられた。
エキスパートによるコメント:
本研究は、対象者数が十分でないことや、測定法の限界などが考えられるため、実際の応用には注意を要するが、日常身体活動が、加齢に伴うサルコペニアならびに骨粗鬆症の予防に重要であることを示す貴重な研究である。また、サルコペニアの程度を評価する国際基準の確立の必要性も指摘されている。
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評価選定・編集の考え方
文献データベースに掲載されている文献は、以下の基準を参考に選定しています。
我が国の体力科学、スポーツ科学および健康科学分野における専門家が推薦した身体活動、運動、体力に関する重要文献を掲載しました。
また、身体活動量・運動量の増加および体力向上による生活習慣病発症予防をアウトカムとする研究を対象にシステマティックレビューを行い、「健康づくりのための運動基準2006-身体活動・運動・体力-」(平成18年厚生労働省)策定に用いられた文献も掲載しています。
文献の領域
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病態別(予防もしくは改善)
呼吸器系
気管支喘息
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
その他の呼吸器疾患
脳・神経系
認知機能
脳血管障害(脳内出血、脳梗塞)
その他の脳・神経系疾患
精神科系
鬱(うつ)病
慢性疲労症候群(CFS)
その他の精神疾患
一般(ヒト)
生活習慣病の一次予防
体力維持・改善
介護予防
廃用性萎縮の予防・改善
転倒・骨折予防
日常生活動作(activities of daily living: ADL)の維持・改善
生活の質(quality of life: QOL)の維持・改善
心理的指標の維持・改善
一般(動物)
ラットを用いた研究
イヌを用いた研究
ウサギを用いた研究
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エアロビクス
持久性トレーニング
持久性運動
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バランストレーニング 平衡性トレーニング 平衡性運動
柔軟性運動
柔軟性トレーニング ストレッチ運動 ストレッチ
体力水準
体力レベル 身体機能水準 身体機能レベル 身体活動水準 身体活動レベル
身体活動
身体運動 スポーツ活動 スポーツ パフォーマンス
体力
身体活動能力 活動能力 身体能力 身体機能 身体遂行能力 フィットネス
トレーニング
訓練 鍛錬
レジスタンストレーニング
筋力トレーニング 筋力向上運動
日常生活動作
日常生活活動 ADL ADLs
余暇活動
レジャー活動 レクリエーション
総死亡
死亡者数 死亡数 死亡率 全死亡 全死亡者数 全死亡率
冠動脈危険因子
冠動脈リスクファクター 心血管危険因子 心血管リスクファクター
最大酸素摂取量
VO2max 最高酸素摂取量 VO2peak 有酸素能力 持久力 有酸素パワー 運動耐用能 心肺系体力
運動処方
運動療法 運動プログラム トレーニングプログラム
歩行
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ジョギング
ランニング 走運動 ジョガー
生活習慣
ライフスタイル 生活様式
肥満
肥満症 過体重
CHD
冠動脈疾患 心血管疾患 心疾患
IHD
虚血性心疾患 心血管疾患 心疾患
収縮期血圧
最高血圧 最大血圧
拡張期血圧
最低血圧 最小血圧
座業的
身体不活動 不活動 非活動 無活動
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自転車駆動 サイクルエルゴメータ 自転車漕ぎ
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運動負荷試験 持久性テスト 持久力テスト
負荷量
ワークロード Watt数
運動強度
負荷強度 強度
耐糖能異常
インスリン感受性 インスリン抵抗性 高血糖
運動量・身体活動量
METs・時/週 kカロリー エネルギー消費量
高脂血症
高コレステロール血症 脂質代謝異常 低HDL血症
骨粗鬆症
低骨密度
高血圧症
本態性高血圧症
腹部脂肪症候群
内臓脂肪
習慣化
定期的 アドヒレンス 習慣性 継続性
筋力
パワー
高齢者
老齢者 老人
中齢者
中年者 中年
若齢者
若年者 若年
質問紙
アンケート 調査票
乳酸閾値
乳酸性作業域値 無酸素性作業閾値 換気閾値 VTATLT
乳酸閾値
乳酸性作業域値 無酸素性作業閾値 換気閾値 VT AT LT
相関関係
関連性 関係性
除脂肪量
除脂肪組織 筋量 筋サイズ
QoL
QOL 人生の質 生活の質 クオリティ・オブ・ライフ
インスリン
インシュリン
グルコース
ブドウ糖 糖
動脈硬化
アテローム硬化 アテローム
脳血管障害
脳梗塞 脳卒中
メタボリックシンドローム
糖代謝異常 代謝異常 腹部脂肪症候群 内臓脂肪
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体格指数 Body Mass Index
罹患率
罹病率 有病率
体力テスト
体力測定 身体機能テスト 身体機能測定
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ラット ネズミ
運動種目
運動様式 運動方法
運動強度
主観的運動強度 RPE Borg Scale
カテコラミン
アドレナリン ノルアドレナリン
介入前
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運動選手 鍛錬者 アスリート 競技者
認知機能
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