管理番号:
PB010848

書誌情報

論文名:
Moderate-Intensity Exercise and Self-rated Quality of Sleep in Older Adults. / 高齢者における中等度強度の運動と自己評価した睡眠の質 
著者:
King AC, Oman RF, Brassington GS, Bliwise DL, Haskell WL.
雑誌名:
JAMA
発行年:
1997
巻:
277
号:
1
頁:
32-7

対象

ヒト:
対象
一般健常者
性別
男女混合
年齢

58.8(5.6)~62.4(6.4)(全体の平均値なし)

対象数
10~50
地域:
地域1
欧米

研究の種類・調査の方法

研究の種類:
種類1 (横断・縦断)
縦断研究
種類2 (介入・コホート)
介入研究
種類3 (前向き・後向き)
前向き研究
調査の方法:
方法
実測
方法 (その他)
睡眠指標は質問紙と日誌

介入の方法

介入の方法:
運動様式
ローインパクトのエアロビクス、自宅での早足歩き
運動強度
トレッドミル運動パフォーマンステストのピーク心拍数の60~75%
運動時間
1回30~40分
運動頻度
週4回
運動期間
16週間

アウトカム

予防:
予防 (高血圧症・心疾患・脳血管障害)
な し
予防 (高脂血症・糖尿病・肥満)
な し
予防 (がん)
な し
予防 (転倒・骨折・介護)
な し
維持・改善:
維持・改善 (体力・廃用性萎縮)
体力維持・改善
維持・改善 (糖質代謝・脂質代謝・タンパク質代謝・骨代謝)
な し
維持・改善 (ADL・QOL)
な し
維持・改善 (心理的指標)
心理的指標改善
維持・改善
睡眠指標の改善

図表

図表1:
図表2:
図表掲載箇所:
P35, 表(表番号なし); P36, 図2

概要・結論

概要:

中等度の睡眠困難を有する中高年者における睡眠改善に対する有酸素運動の効果を検討した。対象は50~76歳までの、冠状動脈心疾患や脳卒中がなく、運動習慣がないなどの条件をみたした中高年者48名(最後43名)であった。運動群の被験者は教室での集団によるローインパクトのエアロビクス運動と自宅での早足歩きの処方を受け、対照群は16週後の介入終了時まで身体活動量を変えないように指示された。運動群の睡眠時間、睡眠効率、睡眠潜時や睡眠の質感などが対象群に比べて改善していた。また、運動群の女性では有意に最大酸素摂取量が増加していた。運動による睡眠改善効果は8週後には認められなかったことから、本研究と同様の睡眠改善効果を得るには8週間以上運動を続ける必要があると推測された。

結論:

中等度までの睡眠困難を有する高齢者は定期的な中等度強度の運動プログラムにより睡眠の質が改善する。

エキスパートによるコメント:

本研究は、中等度の睡眠障害を有する中高年者における有酸素運動の睡眠改善効果を無作為介入試験で明らかにした数少ない研究のひとつである。中等度の睡眠障害を有する運動習慣のない高齢者で睡眠改善効果を認めるには8週以上の運動期間が必要という有益な知見がえられている。

担当者:

山津幸司・石井好二郎