書誌情報
対象
平均17.5歳
研究の種類・調査の方法
介入の方法
アウトカム
図表
概要・結論
若年者における余暇の身体運動と腰痛の関係は未だ不明な点が多く,エビデンスを得ていく必要がある.本研究では,腰痛の月日経過と,学生から社会人になる若年者における余暇の身体活動と腰痛の関係を調査した.420人の美容師,イラストレーション,メディアデザインの学生の腰痛と余暇身体活動を6.5年間追跡調査した.余暇身体活動と腰痛との関連は,追跡期間を通し混合分散分析を使用した.結果,6.5年間(4か月ごと,21箇所観測)で腰痛は時間に有意に影響され,追跡に伴い腰痛の割合はベースラインを基準とし減少傾向にあった.また,普通/高い身体活動水準に対して腰痛は弱い減少傾向を見せたが,有意ではなかった.男女別に見ると,女性より男性のデータの方がばらつきがあり,従って,先に述べた減少傾向は女性の結果を反映していると言える.この性別による特徴は,他の研究でも示されている.本研究の結果から,余暇身体活動を増加させれば,腰痛が減少する,といった傾向は有意でないことが示された.従って,社会人に移行した若年者においては,普通/高い身体活動水準が腰痛予防になる,という理論はサポートできなかった。
若年者において,余暇身体活動が腰痛を減少させる効果があるとは明確に言えない.
若年層の身体活動と腰痛との関係を長期追跡調査した例は他になく,その点で特徴的である.身体活動と腰痛との間に有意な関係は認められなかったが,身体活動の増加に伴う腰痛の減少の傾向は掴めたこと,また先行研究と同様の性差が認められたことから,今後の身体活動と腰痛の研究に大きく貢献した研究と言える.
橋本有子