管理番号:
PB011935

書誌情報

論文名:
Participation in sports organizations and the prevention of functional disability in older Japanese: the AGES Cohort Study / 日本人高齢者におけるスポーツ団体への参加と機能障害の予防: AGESコホート研究
著者:
Kanamori S, Kai Y, Kondo K, Hirai H, Ichida Y, Suzuki K, Kawachi I
雑誌名:
PLoS One
発行年:
2012
巻:
7
号:
11
頁:
e51061

対象

ヒト:
対象
一般健常者
性別
男女混合
年齢

65~

対象数
10000以上
動物:
対象
イヌ
対象数
10未満
地域:
地域1
国内

研究の種類・調査の方法

研究の種類:
種類1 (横断・縦断)
横断研究
種類2 (介入・コホート)
介入研究
種類3 (前向き・後向き)
前向き研究
調査の方法:
方法
質問紙

介入の方法

介入の方法:

アウトカム

予防:
予防 (高血圧症・心疾患・脳血管障害)
な し
予防 (高脂血症・糖尿病・肥満)
な し
予防 (がん)
な し
予防 (転倒・骨折・介護)
介護予防
維持・改善:
維持・改善 (体力・廃用性萎縮)
な し
維持・改善 (糖質代謝・脂質代謝・タンパク質代謝・骨代謝)
な し
維持・改善 (ADL・QOL)
な し
維持・改善 (心理的指標)
な し

図表

図表1:
図表掲載箇所:
オリジナルで作成(「健康づくり」2015年12月号の15ページにも利用)

概要・結論

概要:

【背 景】わが国では急速な高齢化に伴い,介護予防は喫緊の課題となっている.介護予防に効果的と知られている運動は,1 人で行うこともあるが,グループや組織に属して行うこともある.運動が健康に良い理由は,身体活動の増加による運動生理学的な機序によるもの以外に,スポーツ組織への参加によって様々な人とのつながりや支援を得られやすくなることも考えられる.しかし,そのような効果を検証したものは,我々が知る限り存在しない.そこで,運動の実施とスポーツ組織への参加の有無の違いによる要介護状態発生との関連を追跡調査で検証した.【方 法】愛知老年学的評価研究(AGES:Aichi Gerontological Evaluation Study)の2003 年調査で,愛知県に居住する65 歳以上の健常者を対象としてアンケート調査を29,374 名に行った(http://square.umin.ac.jp/ages/).4 年間追跡できた13,310 名のうち,分析に必要な項目に欠損のない11,581 名(男性5,700 名,女性5,881 名)を分析対象者とした.【結 果】「運動の実施の有無」と「スポーツ組織への参加の有無」を組み合わせた4 群のうち,運動を週1回以上しておりスポーツ組織に参加している群と比較すると,運動はしているが組織には参加していない群では,4 年間に要介護認定を受ける確率が1.29 倍であった.この理由を明らかにするため,「友人と会う頻度」の違いを取り除いた解析をしたところ1.27 倍となり,6.9%の低下が認められた.また,運動は週に1回未満でも組織に参加している群では1.16 倍であり,統計学的に意味のある差ではなかった.

結論:

運動を週1 回以上していても,1 人でするのに比べスポーツ組織へ参加している人の方が要介護認定を受けにくい(介護予防効果が高い)ことが示唆された.身体活動の効果だけでなく,スポーツ組織への参加で仲間ができ社会的な交流や支え合いが増えることで,要介護状態発生の低下につながっている可能性が考えられた.

エキスパートによるコメント:

運動は強度や時間,頻度などの重要性が着目されがちですが,1人で行うか仲間と行うかという側面もあります.この研究結果から,運動を週1回以上行うのであれば,1人で行うよりもスポーツ組織に参加して行う方が介護予防に効果的であるかもしれません.また,参加頻度は少なくても,まずはスポーツ組織に参加してみるのが良さそうです.

担当者:

金森 悟