管理番号:
PB012268

書誌情報

論文名:
"The association of cycling with all-cause, cardiovascular and cancer mortality: findings from the population-based EPIC-Norfolk cohort/自転車利用と総死亡、心血管死亡、がん死亡との関係:EPIC-Norfolkコホート"
著者:
"Sahlqvist S, Goodman A, Simmons RK, Khaw KT, Cavill N, Foster C, Luben R, Wareham NJ, Ogilvie D"
雑誌名:
BMJ Open
発行年:
2013
巻:
3
号:
11
頁:
e003797

対象

ヒト:
対象
一般健常者
性別
男女混合
年齢

40-79歳

対象数
10000以上
動物:
対象
空白
対象数
空白
地域:
地域1
欧米

研究の種類・調査の方法

研究の種類:
種類1 (横断・縦断)
縦断研究
種類2 (介入・コホート)
コホート研究
種類3 (前向き・後向き)
前向き研究
調査の方法:
方法
質問紙

アウトカム

予防:
予防 (高血圧症・心疾患・脳血管障害)
な し
予防 (高脂血症・糖尿病・肥満)
な し
予防 (がん)
な し
予防 (転倒・骨折・介護)
な し
予防
総死亡
予防
心血管死亡
維持・改善:
維持・改善 (体力・廃用性萎縮)
な し
維持・改善 (糖質代謝・脂質代謝・タンパク質代謝・骨代謝)
な し
維持・改善 (ADL・QOL)
な し
維持・改善 (心理的指標)
な し
維持・改善
がん死亡

図表

図表1:
図表掲載箇所:
P6、表3より作成

概要・結論

概要:

自転車利用(総量および通勤、レクリエーション、その他)と死亡率の関係を評価した。癌と栄養に関するヨーロッパの前向き調査研究(European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition study-Norfolk)において実施された。対象者は、英国東部で一般診療から募集され(40~79歳)、1993年から1997年の間に1回目の健康調査に参加し、1998年から2000年の間に2回目の健康診断に参加した。1回目の健康調査において、参加者は簡単な身体活動質問紙を用いて、週当たりの平均自転車利用時間を報告した。2回目の健康調査では、参加者はEPAQ2身体活動質問紙を用いて、より詳細な週当たりの自転車利用時間や利用方法を報告した。参加者は死亡率調査のため2011年3月まで追跡調査された。解析対象者は、1回目の調査では、データ欠損のない22450人であった。そのうち4398人が追跡調査中に死亡した。2回目の健康調査では、欠損データのない13346人ののうち、1670人が追跡調査中に死亡した。1回目の健康調査データを用いた予備解析では、自転車利用が全くない(0分/週)群と比較して、週当たり1~59分の自転車利用があると回答した群の総死亡リスクの多変量調整ハザード比(95%信頼区間)は0.96(0.78-1.17)で、週当たり60分以上の自転車利用があると回答した群では、0.91(0.84-0.09)であった(トレンド検定P=0.06)。しかし、2回目の健康調査から得られたより詳細な自転車利用との関係を調査した解析では、週当たりの自転車利用時間(通勤、レクリエーション、その他、全体での自転車利用時間全てにおいて)と死亡リスクとの関連はみられなかった。

結論:

1回目の調査では、自転車利用時間が多いと死亡リスクが低いという関係がみられたが、2回目の調査では、同様の関連がみられなかった。死亡リスクを低下させるための十分な自転車利用についてさらなる研究が必要である。

エキスパートによるコメント:

European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition (EPIC) studyは、ヨーロッパ10か国で50万人を超える参加者が募集され、がんと栄養に関する世界最大規模のコホート研究の1つである。2回目に実施されたより詳細な質問紙を用いた調査において、自転車利用と死亡リスクとの関連がみられなかった原因として、1回目の調査よりも追跡期間が短く、サンプルサイズが小さかったことが関連している可能性がある。

担当者:

丸藤祐子・澤田亨