管理番号:
PB012354

書誌情報

論文名:
Joint Associations of Leisure Screen Time and Physical Activity with Academic Performance in a Sample of Japanese Children / 日本人の子どもにおける余暇スクリーンタイム、身体活動と学力の関連
著者:
"Ishii K, Aoyagi K, Shibata A, Koohsari MJ, Carver A, Oka K."
雑誌名:
Int J Environ Res Public Health.
発行年:
2020
巻:
17
号:
頁:
757

対象

ヒト:
対象
一般健常者
性別
男女混合
年齢

平均15歳

対象数
1000~5000
動物:
対象
空白
対象数
空白
地域:
地域1
アジア

研究の種類・調査の方法

研究の種類:
種類1 (横断・縦断)
横断研究
種類2 (介入・コホート)
コホート研究
種類3 (前向き・後向き)
その他
調査の方法:
方法
その他
方法 (その他)
実測、質問紙

アウトカム

予防:
予防 (高血圧症・心疾患・脳血管障害)
な し
予防 (高脂血症・糖尿病・肥満)
な し
予防 (がん)
な し
予防 (転倒・骨折・介護)
な し
維持・改善:
維持・改善 (体力・廃用性萎縮)
な し
維持・改善 (糖質代謝・脂質代謝・タンパク質代謝・骨代謝)
な し
維持・改善 (ADL・QOL)
な し
維持・改善 (心理的指標)
な し

図表

図表1:
図表掲載箇所:
Table2

概要・結論

概要:

座位行動および身体活動は、子どもの身体的・心理的健康だけでなく学力にも影響を与えることが知られている。しかしながら、これまでの研究の多くは、身体活動または座位行動のどちらかと学力との関連を検討しているものである。そこで本研究の目的は、日本人の子どもを対象に、身体活動とスクリーンタイムが学力へ与える長期的な影響を検討した。対象者は、7-10歳の小学生261名とした。スクリーンタイムおよび身体活動は質問紙にて調査した。1年後の学力、性、学年、身長、体重については、学校より取得した。スクリーンタイムと身体活動が1年後の学力に与える影響を人口統計学的要因を調整しロジスティック回帰分析にて検討した。結果として、スクリーンタイムが多く身体活動が少ない子どもと比較して、スクリーンタイムも身体活動も少ない子どもは2.04倍(95% confidence interval: 1.11-3.78)、スクリーンタイムが少なく身体活動が多い子どもは2.75倍(1.17-6.43) 1年後の学力が高かった。男子においては、スクリーンタイムが多く身体活動が少ない子どもと比較して、スクリーンタイムが少なく身体活動が多い子どもは4.12 倍(1.19-14.24) 1年後の学力が高かった。女子においては有意な関連は認められなかった。

結論:

スクリーンタイムが少ないことは、身体活動の多寡にかかわらず1年後の学力の高さと関連していた。

エキスパートによるコメント:

本研究は、身体活動と座位行動の両変数の多寡により学力との関連を縦断的に検討した数少ない研究である。特に日本人で検討した研究は皆無である。子どもの学力向上にも有益な知見ではあるが、学校関係者や保護者が子どもの身体活動を増加させ座位行動お減少させるための取り組みへの積極性を高めることにもつながり、わが国における子どもの健康増進を実現することにもつながるだろう。

担当者:

石井香織