管理番号:
PB012363

書誌情報

論文名:
Effects of High-Intensity Interval Training and Moderate-Intensity Training on Stress, Depression, Anxiety, and Resilience in Healthy Adults During Coronavirus Disease 2019 Confinement: A Randomized Controlled Trial/高強度インターバルトレーニングと中強度トレーニングが、新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)拡大による自粛期間中の成人健常者のストレス、抑うつ、不安および、回復力に及ぼす影響:ランダム化比較試験
著者:
Borrega-Mouquinho Y, Sánchez-Gómez J, Fuentes-García JP, Collado-Mateo D, Villafaina S
雑誌名:
Front Psychol
発行年:
2021
巻:
24
号:
12
頁:
643069

対象

ヒト:
対象
一般健常者
性別
男女混合
年齢

26.1(7.17)歳

対象数
50~100
地域:
地域1
欧米
地域2
スペイン

研究の種類・調査の方法

研究の種類:
種類1 (横断・縦断)
縦断研究
種類2 (介入・コホート)
介入研究
種類3 (前向き・後向き)
前向き研究
調査の方法:
方法
質問紙

介入の方法

介入の方法:
運動様式
HIIT群:筋力トレーニング
MIT群:有酸素運動
運動強度
HIIT群:高強度
MIT群:中強度
運動時間
40分
運動頻度
6回/週
運動期間
6週間
その他
在宅

アウトカム

予防:
予防 (高血圧症・心疾患・脳血管障害)
な し
予防 (高脂血症・糖尿病・肥満)
な し
予防 (がん)
な し
予防 (転倒・骨折・介護)
な し
予防
うつ病
維持・改善:
維持・改善 (体力・廃用性萎縮)
体力維持・改善
維持・改善 (糖質代謝・脂質代謝・タンパク質代謝・骨代謝)
な し
維持・改善 (ADL・QOL)
QOL改善
維持・改善 (心理的指標)
心理的指標改善

図表

図表1:
図表2:
図表掲載箇所:
P4, 表2 P6, 表3

概要・結論

概要:

この研究は、1)高強度インターバルトレーニング(high-intensity interval training: HIIT)と、2)中強度トレーニング(moderate-intensity training: MIT)の2つの在宅介入プログラムが、新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)拡大による自粛期間中の成人に与える効果を検証した。研究デザインは、ランダム化単一盲検対照試験であった。67人の成人男女(26.1±7.17歳)が参加し、HIIT群とMIT群の2つのグループにランダムに割り当てられた。両群とも在宅で実施し、自粛期間(6週間)に、40分のセッションを週6日、同じ運動量を完遂するように計画された。5年以上運動指導経験のある専門家がプログラムをYouTubeにアップロードすることで、ビデオセッションが参加者へ提供された。また、WhatsAppメッセージが個別に送信された。主要評価項目は、うつ症状(13-item Beck Depression Inventory: BDI-13)、副次評価項目は、ストレス(Perceived Stress Scale: PSS-10)、不安(State-Trait Anxiety Inventory: STAI-E)および、回復力(Connor-Davidson Resilience Scale: CD-RISC)とされ、介入前後に評価された。75%以上プログラムに参加した者が完遂者とされた。67人(HIIT群 36人、MIT群 31人)が介入に参加し、HIIT群は8人、MIT群では6人が脱落した。HIIT群、MIT群ともに、不安、うつに関する指標が有意に低下し、回復力が高まることを示した(p <0.05)。また、HIIT群で認められたうつ症状の改善は、MIT群で認められた改善の程度よりも有意に大きかった(p <0.05)。

結論:

HIITとMITは、不安、ストレス、うつ症状を軽減し、COVID-19による自粛中の回復力を高めた。また、HIIT介入は、MIT介入よりもうつ症状を改善するために有益であることが示唆された。

エキスパートによるコメント:

本研究は、COVID‑19拡大による自粛期間中に、在宅で運動介入することで、心理指標に改善をもたらした点で、新規性が高く、昨今の社会において有益なエビデンスが得られたと考えられる。一方、在宅で運動介入したため、主観的な評価に限られる点は注意が必要である。また、健常者が対象であり、虚弱高齢者や疾病のある人に推奨する段階には至っておらず、今後、対象者の範囲を広げて、有効性を検証する必要がある。

担当者:

水島 諒子