管理番号:
PB012385

書誌情報

論文名:
Habit-based interventions for weight loss maintenance in adults with overweight and obesity: a randomized controlled trial/過体重および肥満成人の体重減少維持のための習慣に基づく介入:ランダム化比較試験
著者:
Cleo G, Glasziou P, Beller E, Isenring E, Thomas R
雑誌名:
Int J Obes (Lond)
発行年:
2019
巻:
43
号:
3
頁:
374-383

対象

ヒト:
対象
有疾患者
性別
男女混合
年齢

51±11

対象数
50~100
地域:
地域1
欧米
地域2
オーストラリア

研究の種類・調査の方法

研究の種類:
種類1 (横断・縦断)
横断研究
種類2 (介入・コホート)
介入研究
種類2 (その他)
RCT
種類3 (前向き・後向き)
その他
調査の方法:
方法
その他
方法 (その他)
実測と自己申告

介入の方法

介入の方法:
その他
ウェブサイトによる情報提供

アウトカム

予防:
予防 (高血圧症・心疾患・脳血管障害)
な し
予防 (高脂血症・糖尿病・肥満)
な し
予防 (がん)
な し
予防 (転倒・骨折・介護)
な し
維持・改善:
維持・改善 (体力・廃用性萎縮)
な し
維持・改善 (糖質代謝・脂質代謝・タンパク質代謝・骨代謝)
な し
維持・改善 (ADL・QOL)
な し
維持・改善 (心理的指標)
な し
維持・改善
減量維持

概要・結論

概要:

本研究の目的は、習慣に基づく介入が長期的な体重減少維持を達成するために効果的であるかどうかを検討するために、新しい習慣を形成することと古い習慣を中断することの効果を比較することである。過体重または肥満(BMI 25以上)の18~75歳のボランティアの地域住民を対象に、単盲検の3群間ランダム化比較試験を実施した。Ten Top Tips(TTT)群は、習慣形成理論の推奨事項に基づいた、リーフレットを用いた自己指導型の介入である。習慣化を促進するために、参加者は、ヒントとして、日常生活に効果的に取り入れるための計画を立て、一貫した状況で行動を繰り返すようにアドバイスされた。参加者には、ヒントの遵守状況を記録するためのログブックが配布された。参加者は、あるヒントを常に達成できなかった場合、メモを取り、次の週にどのように達成するかを計画する空欄と、毎週の体重を記録する空欄が設けられた。Do Something Different(DSD)群は、不健康な食生活や運動行動に関与する習慣を中断するという介入である。オンラインソフトウェアを用いて管理され、参加者は介入前と介入後の測定を行い、個人の行動や習慣を記録し、個人に合わせたプログラムが作成される。ウェイトリスト(WL)群は、12週間の介入期間に通常通りの生活を続けるように指示された。参加者は、介入後(全グループ)、介入後6ヵ月と12ヵ月(TTT群とDSD群のみ)に追跡調査を行った。主要評価項目は、12ヵ月後のフォローアップにおける減量維持であった。結果としては、参加基準に適合した130名の対象者のうち、75名の成人(平均BMI 34.5±6.2、平均年齢51歳)が評価された。介入後の体重は、TTT群が-3.3 kg(95%信頼区間: -5.2, -1.4)であり、DSD群が-2.9 kg(-4.3, -1.4)であった。介入群の参加者は、待機リスト対照群(-0.4 kg; 95%CI: -1.2, 0.3)よりも有意に体重が減少した(P < 0.001)。両群とも、12ヵ月後の追跡調査でも体重の減少が続き、TTT群ではさらに-2.4 kg(-5.1, 0.4)、DSD群では-1.7 kg(-3.4, -0.1)の減少が認められた。

結論:

TTTとDSDの根本的なメカニズムが異なるにもかかわらず、両介入策の参加者は介入後12ヵ月間、有意な体重減少の維持を達成し、食事と運動の習慣を改善した。積極的な介入を行ったグループの約65%の参加者が減量成功の基準である総体重の5%以上の減量を達成し、介入終了後12ヵ月間、その減量を維持した。習慣に基づく介入は、体重管理に対する考え方及び重要な行動様式を変えられる可能性がある。

エキスパートによるコメント:

この研究は習慣を変化させるという側面から、減量介入への効果を検討した斬新な視点での研究である。しかしながら、評価項目として、体組成や心血管疾患に関連するリスク要因などは検討されていないことは、有効性を判断する上では不十分であるかもしれない。また、研究者が週1回モニタリングすることは、介入の継続性を高める可能性があることを踏まえて、結果を解釈する必要がある。

担当者:

金智訓