管理番号:
PB012397

書誌情報

論文名:
Returning to physical activity after covid-19/COVID-19罹患・回復後の身体活動復帰
著者:
Salman D, Vishnubala D, Le Feuvre P, Beaney T, Korgaonkar J, Majeed A, McGregor AH
雑誌名:
BMJ
発行年:
2021
巻:
8
号:
372
頁:
m4721

対象

ヒト:
対象
有疾患者
地域:
地域1
欧米

研究の種類・調査の方法

研究の種類:
種類2 (介入・コホート)
その他
種類2 (その他)
総説
調査の方法:
方法
その他

アウトカム

予防:
予防 (高血圧症・心疾患・脳血管障害)
な し
予防 (高脂血症・糖尿病・肥満)
な し
予防 (がん)
な し
予防 (転倒・骨折・介護)
な し
維持・改善:
維持・改善 (体力・廃用性萎縮)
な し
維持・改善 (糖質代謝・脂質代謝・タンパク質代謝・骨代謝)
な し
維持・改善 (ADL・QOL)
な し
維持・改善 (心理的指標)
な し

図表

図表1:
図表掲載箇所:
P3, 図1(一部抜粋)

概要・結論

概要:

本報告は、COVID-19にり患した患者が、治療後、どのような場合、身体活動・運動を安全に再開することができるのか、実践者向けの解説論文である。治療が終了したCOVID-19患者のうち、「症状が消失していない」「過去の症状が重篤」「心筋梗塞の既往あり」の場合、身体活動を始める前にさらなる検査等を行う等、慎重な対応が求められる。一方、これらに該当せず、症状が消失して7日間以上が経過した場合、身体活動を再開できる。身体活動・運動の再開は、Phase 1~Phase 5までの5段階で行い、各Phase1週間で行う。
●Phase1の目標は「身体活動・運動の再開に向けた準備期」である。深呼吸、柔軟、ストレッチ、バランス運動を、非常に低い強度(ボルグスケール:6-8)から行う。
●Phase2の目標は「歩行や軽いヨガ、家事などの低強度の運動」である。1日10~15分程度から徐々に時間を長くする。ボルグスケール11程度の強度で、30分間歩行できた場合、次のPhaseへ移行する。
●Phase3の目標は「中強度の有酸素運動、またはレジスタンス運動の導入」である。5分間の有酸素運動(ボルグスケール12-14)を1回のインターバルを挟んで2セットを行い、さらに可能であれば、2回のインターバル×4セットを行う。30分間のセッションを7日間行い、さらに1時間の休憩後に十分の回復できていることが確認された場合、次のPhaseへ移行する。
●Phase4の目標は「中強度の有酸素運動に加え、身体機能回復運動を含むレジスタンス運動」である。「ややきつい強度(ボルグスケール12-14程度)の運動で、2日実施、1日休憩の頻度で行う。7日間実施して、疲労感が残らない場合、次のPhaseへ移行する。
●Phase5の目標は「通常の運動習慣へ戻すこと」である。きつい強度(ボルグスケール15以上)で行ってもよい。

結論:

COVID-19へり患した患者が、回復後に身体活動・運動を安全に再開するために、7日間以上の無症状期間後に、非常に低強度から少しづつ強度をあげていくアプローチが望ましい。、

エキスパートによるコメント:

COVID-19患者に対し、身体活動・運動の再開について、具体的に解説されている。本論文は、医療関係者だけでなく、地域・職域等で運動の実践・指導者にも有用なガイドラインといえる。

担当者:

菊池宏幸