管理番号:
PB012401

書誌情報

論文名:
Physical activity, dietary habits and sleep quality before and during COVID-19 lockdown: A longitudinal study -新型コロナウイルスによるロックダウン中の身体活動,食習慣および睡眠の質:縦断研究-
著者:
Martínez-de-Quel Ó, Suárez-Iglesias D, López-Flores M, Pérez CA.
雑誌名:
Appetite
発行年:
2021
巻:
158
号:
頁:
105019

対象

ヒト:
対象
一般健常者
性別
男女混合
年齢

平均35.0±11.2歳

対象数
100~500
地域:
地域1
欧米
地域2
スペイン

研究の種類・調査の方法

研究の種類:
種類1 (横断・縦断)
縦断研究
調査の方法:
方法
質問紙
方法 (その他)
オンライン調査

アウトカム

予防:
予防 (高血圧症・心疾患・脳血管障害)
な し
予防 (高脂血症・糖尿病・肥満)
な し
予防 (がん)
な し
予防 (転倒・骨折・介護)
な し
予防
新型コロナウイルスの蔓延によるライフスタイルの変化の調査
維持・改善:
維持・改善 (体力・廃用性萎縮)
な し
維持・改善 (糖質代謝・脂質代謝・タンパク質代謝・骨代謝)
な し
維持・改善 (ADL・QOL)
な し
維持・改善 (心理的指標)
な し

図表

図表1:
図表掲載箇所:
P4 図2

概要・結論

概要:

COVID-19のパンデミックにより,保健当局は疫学的な封じ込め戦略として,強制自粛を余儀なくされた.本研究は,スペイン人を対象に,強制自粛が身体活動,摂食障害リスク,睡眠の質,幸福感に及ぼす影響に関する情報を提供することを目的とした.”Minnesota Leisure Time Physical Activity Questionnaire”,”Eating Attitude Test-26”,”Pittsburgh Sleep Quality Index”を含むオンライン調査をスペインで警戒態勢が敷かれた2日後と,そのような措置が緩和され始めた5日後に実施した.1回目のアンケートに回答した693人のうち,161人が2回目のアンケートに回答した.これらの参加者は合計48日間自宅に閉じこもって過ごし,その間,摂食障害の発症リスクを除くすべての評価項目で有意な悪化が見られた.体重67.3±14.8kg→67.7±15.1kg (p=0.012), 身体活動,8515.7±10260.0→5053.5±5502.0(MET分/週)(p<0.001), 睡眠障害,6.2±3.5→7.2±3.9(Total Score)(p<0.001),自己認識の幸福度,4(3-4)→3(3-4)(Score),(p<0.001).外出自粛生活は,元々身体活動が活発な対象者に有意な低下をもたらし,身体活動レベル,睡眠の質,幸福感が有意に低下(p<0.05)したのに対し,身体活動が活発でない対象者には有意な変化は見られなかった.この縦断的研究の結果は,COVID-19によるロックダウン期間が,身体活動の活発なスペイン人成人グループの身体活動レベル,睡眠の質,幸福度に悪影響を及ぼしたことを示している.公衆衛生当局は,普段から活動的なライフスタイルを送っている人々が,このような混乱の影響を特に受けやすい可能性があることを認識すべきと警鐘を鳴らした.

結論:

COVID-19によるロックダウン期間は,スペインの成人グループの身体活動レベルと睡眠の質に悪影響を及ぼし,体重と自己認識による幸福度にも悪影響を及ぼしたことを縦断的研究により明らかにした.今回の結果から,普段から活動的な生活を送っている人は,このような混乱の影響を特に受けやすいことがわかりました.公衆衛生当局は,隔離期間中に身体活動を減らすことは,人々の健康状態に悪影響を及ぼす可能性があることを認識すべきである.

エキスパートによるコメント:

新型コロナウイルス感染症予防のための自粛生活は,身体活動の低下をもたらし,睡眠の質,メンタルヘルスに悪影響を与えることが数多く報告されていますが,この研究の興味深いところは元々活動的で身体活動が高い人の方がその影響を受けやすいことを示している点です.

担当者:

難波秀行