管理番号:
PB012412

書誌情報

論文名:
Nutritional, physical, cognitive, and combination interventions and frailty reversal among older adults: a randomized controlled trial. /高齢者の栄養、身体、認知、複合的な介入とフレイルからの回復:無作為化比較試験
著者:
Ng TP, Feng L, Nyunt MS, Feng L, Niti M, Tan BY, Chan G, Khoo SA, Chan SM, Yap P, Yap KB
雑誌名:
Am J Med
発行年:
2015
巻:
128
号:
11
頁:
1225-1236

対象

ヒト:
対象
有疾患者
性別
男女混合
年齢

平均 70歳

対象数
100~500
地域:
地域1
アジア

研究の種類・調査の方法

研究の種類:
種類1 (横断・縦断)
縦断研究
種類2 (介入・コホート)
介入研究
種類2 (その他)
RCT
種類3 (前向き・後向き)
前向き研究
調査の方法:
方法
実測

介入の方法

介入の方法:
運動様式
マルチコンポーネント(筋力強化練習、バランス練習、認知トレーニング)
運動強度
8~15RM
or 
10RMの60~80%
運動時間
1回合計90分
運動頻度
週2回
運動期間
12週間
その後自宅Exを12週間
食事制限 kcal/day
食事制限群(kcal/day)
なし
サプリメント24週間
その他
認知トレ群
認知機能向上、週2時間を12週間。その後は2週間に1回を12週間

アウトカム

予防:
予防 (高血圧症・心疾患・脳血管障害)
な し
予防 (高脂血症・糖尿病・肥満)
な し
予防 (がん)
な し
予防 (転倒・骨折・介護)
転倒・骨折予防
予防
フレイル予防
維持・改善:
維持・改善 (体力・廃用性萎縮)
体力維持・改善
維持・改善 (糖質代謝・脂質代謝・タンパク質代謝・骨代謝)
な し
維持・改善 (ADL・QOL)
な し
維持・改善 (心理的指標)
な し
維持・改善
認知機能向上

図表

図表1:
図表掲載箇所:
P1233, 図2

概要・結論

概要:

運動、栄養、認知トレーニング、3者併用の6か月プログラムがフレイル特性へ与える影響を調べた。プレフレイルまたはフレイルに分類された参加者のうち運動群(n = 48)は、週2回、12週間にわたり、それぞれの能力に合わせたプログラムを90分間のクラスで受け、筋力とバランスに重点を置き実施した。その後自宅でのエクササイズを12週間行った。栄養摂取群(n=49)は、鉄分と葉酸、ビタミンB6とB12、カルシウムとビタミンDのサプリメントを24週間摂取した。認知トレ群(n=50)は、注意力、情報処理能力、推論力、問題解決能力を高めることを目的とした活動を、週2時間のセッションで12週間行った後、2週間に1回のペースで12週実施した。併用群(n=49)は各群のすべての介入を受けた。結果、フレイルスコアはすべての群で6ヵ月後と12ヵ月後に有意に減少し、併用群が最も大きく減少した。下半身の筋力は、併用群、運動群、認知トレ群で改善し、歩行速度は運動群のみで改善、さらに全体的な身体活動は栄養摂取群で改善した。

結論:

フレイルを改善するためには、運動、栄養摂取、認知トレーニングおよびこれらの複合的な介入アプローチが有効である。プレフレイルやフレイル高齢者を特定し、効果的な介入を行うことでフレイルのレベルを下げ、予防可能であることをしている。

エキスパートによるコメント:

本研究は、プレフレイル・フレイル高齢者に対して筋力強化練習、バランス練習などを組み合わせた運動だけでなく、栄養摂取や認知トレーニングによる効果も示した論文である。本研究で用いたトレーニングは、運動の種類だけでなく栄養や認知機能への介入も虚弱高齢者のフレイル予防に効果的であり、かつ安全で身体的負荷も少ない介入方法であると考えられる。

担当者:

中村 学