管理番号:
PB012442

書誌情報

論文名:
Effects of sedentary behaviour interventions on biomarkers of cardiometabolic risk in adults: systematic review with meta-analyses/成人の心血管疾患リスクバイオマーカに及ぼす座位行動介入の効果-システマティックレビューおよびメタアナリシス-
著者:
Hadgraft NT, Winkler E, Climie RE, Grace MS, Romero L, Owen N, Dunstan D, Healy G, Dempsey PC
雑誌名:
British Journal of Sports Medicine
発行年:
2021
巻:
55
号:
3
頁:
144-154

対象

ヒト:
対象
一般健常者
性別
男女混合
対象数
10000以上
地域:
地域1
欧米

研究の種類・調査の方法

研究の種類:
種類1 (横断・縦断)
縦断研究
種類2 (介入・コホート)
コホート研究
種類3 (前向き・後向き)
前向き研究
種類3 (その他)
メタアナリシス
調査の方法:
方法
実測

介入の方法

介入の方法:
その他
7日間以上の座位行動介入

アウトカム

予防:
予防 (高血圧症・心疾患・脳血管障害)
な し
予防 (高脂血症・糖尿病・肥満)
な し
予防 (がん)
な し
予防 (転倒・骨折・介護)
な し
維持・改善:
維持・改善 (体力・廃用性萎縮)
な し
維持・改善 (糖質代謝・脂質代謝・タンパク質代謝・骨代謝)
な し
維持・改善 (ADL・QOL)
な し
維持・改善 (心理的指標)
な し
維持・改善
心血管代謝バイオマーカー

概要・結論

概要:

本システマティックレビューおよびメタアナリシスの目的は、座位行動の減少を目的とした単独あるいは身体活動の促進と組み合わせた自由生活下での介入が心血管代謝バイオマーカーに及ぼす効果について検討することである。
2019年8月までに公刊され、アウトカムとして身体組成、血圧、グルコースおよび脂質代謝および炎症等の心血管代謝バイオマーカーを扱った成人に対する7日間以上の座位行動介入研究について、6つのデータベースを用いて検索し、最終的に54研究を抽出した。また、アウトカムである15のバイオマーカーに対する介入効果を、他の関連した介入を実施しない対照群を有する33研究について、ランダム効果メタアナリシスを用いて評価した。
結果として、北米、欧州、オーストラリアの非臨床集団に対する2週間から6ヵ月未満の介入研究が中心であった。特に、体重(≈ 0.6kg)、ウエスト周囲径(≈ 0.7cm)、体脂肪率(≈ 0.3%)、収縮期血圧(≈ -1.1mmHg)、インスリン(≈ 1.4pM)、HDLコレステロール(≈ 0.04mM)に対する効果は、小さいながらも有意(p<0.05)であった。他のバイオマーカーに対する効果(p>0.05)についても、除脂肪体重(≈ 0.0kg)を除いて小さいながらも有意な傾向が認められた。異質性の範囲は広かった。
座位行動の減少を目的とした、単独あるいは身体活動の促進と組み合わせた介入研究を扱った本システマティックレビューならびにメタアナリシスにより、心血管代謝リスクバイオマーカーの改善に、わずかながらでも有効であるというエビデンスが見出された。一方、炎症や血管機能への効果について評価するためのエビデンスは不十分であった。質の高い研究デザイン、長期(12ヶ月以上)にわたる介入、感度の高いバイオマーカーの採用、臨床研究集団(たとえば、2型糖尿病)を対象にすることなどが、今後の課題として挙げられる。

結論:

非臨床集団に対する座位行動の減少を目的とした単独あるいは身体活動の促進と組み合わせた介入研究は、北米や欧州、オーストラリアを中心として行われていた。比較的短期(2週間から6か月未満)の介入ではあるが、小さいながらも心血管代謝リスクバイオマーカーの改善に効果があることが確認された。

エキスパートによるコメント:

座位行動の減少を目的とした介入の効果に関するエビデンスについてシステマティックレビューならびにメタアナリシスを用いて整理した貴重な研究である。現状では研究の質・量が十分とは言えないものの、比較的短期(2週間から6か月未満)の介入でも、いくつかの心血管代謝リスクバイオマーカーに関して小さいながらも有意な改善をもたらす可能性が示された点は興味深い。

担当者:

岡 浩一朗