書誌情報
論文名:
Electromyography of Sedentary Behavior: Identifying Potential for Cardiometabolic Risk Reduction/座位行動時の筋電図:心血管代謝疾患リスク低減の可能性を探る
著者:
Lamberg S, Brakenridge CJ, Dunstan DW, Finni T, Healy GN, Owen N, Pesola AJ.
雑誌名:
Med Sci Sports Exerc
対象
ヒト:
対象
一般健常者
性別
男女混合
年齢
自由生活下研究:40.9 ± 12.9歳、実験室研究:47.0±7.7歳 ※35-65歳まで
対象数
100~500
地域:
研究の種類・調査の方法
研究の種類:
種類1 (横断・縦断)
横断研究
種類2 (介入・コホート)
コホート研究
種類3 (前向き・後向き)
前向き研究
調査の方法:
介入の方法
介入の方法:
運動様式
座位安静、立位、座位ペダリング、座位ステップ、歩行、自重抵抗運動
アウトカム
予防:
予防 (高血圧症・心疾患・脳血管障害)
な し
予防 (高脂血症・糖尿病・肥満)
な し
予防 (がん)
な し
予防 (転倒・骨折・介護)
な し
維持・改善:
維持・改善 (体力・廃用性萎縮)
な し
維持・改善 (糖質代謝・脂質代謝・タンパク質代謝・骨代謝)
な し
維持・改善 (ADL・QOL)
な し
維持・改善 (心理的指標)
な し
維持・改善
心血管代謝リスク(腹囲、体脂肪率、空腹時血糖、HDLコレステロールなど)
図表
図表掲載箇所:
P13, 図1; P16, 表1; P17, 図3
概要・結論
概要:
長時間の座位は心血管代謝リスクを高めるが、座位行動の中断(ブレイク)による筋活動の促進が、リスク低減に寄与する可能性がある。本研究の目的は、(1)自由生活下における大腿四頭筋とハムストリングスの筋活動パターンと心血管代謝マーカーの関連を検証すること、(2)実験室環境において、異なる方法のブレイク時の筋活動パターンの違いを検証することである。方法:(1)自由生活下研究:172名が筋電図(EMG)測定用ショーツを装着し、1~2日間自由生活を送った。(2)実験室研究:12名がEMG測定用ショーツを装着し、60分の座位の後、5種類のブレイク(立位、座位ペダリング[機器使用]、座位ステップ[機器使用]、歩行、自重抵抗運動[スクワット、踵上げなど])を、順番をランダム化して実施した。結果:(1)自由生活下における大腿四頭筋とハムストリングスの筋活動量は、それぞれ2.0%、2.6%と低値であった。大腿四頭筋のEMG活動時間の長さは空腹時血糖と、ハムストリングスのEMG活動時間の長さは腹囲、体脂肪率、HDLコレステロールと、それぞれ好ましい関連が示された。(2)実験室研究では、座位の時に比べ、すべてのブレイク条件でEMG活動指標の全部または一部が増加を示した。特に歩行と自重抵抗運動は、座位条件に比べて総EMG活動量だけでなく、一定の閾値を超えた筋活動時間も有意に長く、筋活動が顕著であった。
結論:
下肢の筋活動と心血管代謝リスク指標の関連が示された。座位のブレイク時には立つだけではなく、歩行や抵抗運動を取り入れることで、心血管代謝リスクの軽減により効果的である可能性が示唆された。
エキスパートによるコメント:
ブレイクの質(内容)に焦点を当て、現実社会で応用できる実践的な知見を提供する貴重な研究である。今後、測定対象とする筋を広げ、それぞれの筋の特異性を解明するとともに、これらの知見に基づくブレイク効果の介入研究による検証が期待される。
関連リンク
発行年
2021
論文名
Effects of sedentary behaviour interventions on biomarkers of cardiometabolic risk in adults: systematic review with meta-analyses/成人の心血管疾患リスクバイオマーカに及ぼす座位行動介入の効果-システマティックレビューおよびメタアナリシス-
詳細
著者
Hadgraft NT, Winkler E, Climie RE, Grace MS, Romero L, Owen N, Dunstan D, Healy G, Dempsey PC
雑誌名
British Journal of Sports Medicine
対象
ヒト:
対象
一般健常者
性別
男女混合
対象数
10000以上
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その他の脳・神経系疾患
精神科系
鬱(うつ)病
慢性疲労症候群(CFS)
その他の精神疾患
一般(ヒト)
生活習慣病の一次予防
体力維持・改善
介護予防
廃用性萎縮の予防・改善
転倒・骨折予防
日常生活動作(activities of daily living: ADL)の維持・改善
生活の質(quality of life: QOL)の維持・改善
心理的指標の維持・改善
一般(動物)
ラットを用いた研究
イヌを用いた研究
ウサギを用いた研究
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乳酸閾値
乳酸性作業域値 無酸素性作業閾値 換気閾値 VT AT LT
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